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経産省補助金の電子申請システム 「Jグランツ」

電子申請システムについて

さくらい行政書士事務所 経済産業省 補助金 電子申請システム Jグランツ

行政書士を少しやっているだけでも、お役所へ提出する書類の多さには呆れます。 印刷し、印鑑を押して、またコピーしてと煩雑な事務処理が多くなってしまいます。電子申請にすると、24時間365日、いつでもどこでもスマホでも申請できるし、pdfファイルの添付などで省力化ができ、申請や届け出のためにわざわざお役所を訪問する必要が減り、かなり時間短縮も可能になります。

電子申請というと各種行政手続きができる電子政府 「e-Gov」の電子申請のことだと思っていました。 e-Govは総務省が管轄する電子政府の総合窓口で、法令検索でよく使います。 また、パブリックコメントも「e-Gov」を使って行いますが、一般の人にとっては縁の薄いポータルサイトだと感じます。 「e-Gov」の電子申請は厚労省の各種社会保険申請や法務省の登記申請など、4000件以上もの行政手続きができ、申請件数は2018年1,135万件、2019年1,333万件とかなりの数になります。しかし、この電子申請をするにはパソコンの他にICカードリーダーが必要でそれがネックとなって補助金申請には用いられていないのだと思います。 


JグランツにはgBizIDが必要

一方、経産省が2019年秋に発表したのが補助金申請のための「Jグランツ」。事前に「gBizID」を登録しなければなりませんが、ICカードリーダーのようなものを購入する必要はありません。「gBizID」は簡単に登録でき、印刷して押印(実印)し印鑑登録証証明書を添付して郵送し、申請から取得まで2週間くらいかかります。

「Jグランツ」は2019年度補正、2020年度当初予算より「ものづくり補助金」「小規模事業者の持続化補助金」「IT導入補助金」「JAPANブランド補助金」など27種類の主要な補助金が対象で、今後地方自治体における補助金申請などを含めて随時拡大していくそうです。新型コロナウイルス対策のために中小企業向け補助金が一気に膨らんでいますが、この電子申請の周知度がイマイチ高い気がしません。 電子申請したから補助が受けやすいわけではありませんが、「gBizID」を持っていない事業者は申請すらできません。


考察

厚労省の助成金もこの「Jグランツ」を利用できないのか、そういう計画が無いのか探してみましたが、わかりません。 国民の利便性、申請手続きの簡略化を第一優先にしてほしいです。

近い将来は市町村が持つ住民票や戸籍などの情報、税務署の納税情報、労働局へ提出している労務関連情報、法務局の登記情報、公共機関に提出している企業情報、有価証券報告書、そして地図などの一般情報などをつなげて、補助金や助成金の申請書類の簡素化、審査のスピードアップ、そして行政事務手続きの軽減が起きるのだと予想できます。 その時は行政書士や社労士はかなり仕事を失うのでしょうが。

どうでもいいことですが、IT系のネーミングは自由競争の民間ではブランド戦略として自由でしょうが、公共システムではできるだけ普通名詞を使い、見ただけでどういうものか理解できるようにして欲しいと思います。「Jグランツ」だと「経済産業省 補助金電子申請システム」で十分でしょう。


4月27日追記

4月13日に投函してちょうど2週間経った今日、GビズID登録申請受付のメールが届きました。GビズのURLにアクセスすると登録したスマホにSMSでワンタイムパスワードが送られてきて、それを入力し、改めて任意のパスワードを設定したら登録完了。 登録したメールアドレスがそのままIDになります。5月はまず自分の持続化補助金の申請をやってみます。

お客さんから補助金申請のサポートを依頼されたら即日対応するには、まず自分でJグランツによる申請をしてみようという考えです。 申請ポイントは中身(市場性、自社SWOT分析、事業計画など)でしょうが、Jグランツ電子申請の流れを一回やればあとはどんな申請もできそうな気がします。

面倒なのは代理申請機能はあるものの、まだほとんどの個別申請では適応されていないことです。 経済産業省のお役人に電話で確認し、電子申請を拡大させるには代理申請機能の拡大が必要でしょうと意見を出させてもらいました。しばらくは、お客さんの担当者に対しGビズID取得から案内し、具体的入力を指導するようなサポートが必要になりそうです。 わたしとしては、ただ申請代理をするよりも、お客さんの事業戦略・事業計画を一緒に考え・悩み、その実行手段の一つとして補助金申請全体をサポートする業務をイメージしています。