日本が大好きな外国人の皆さま、各種在留ビザ、永住ビザ、帰化申請について、疑問や不安を解消します。
訪日外国人旅行者数(入国者数)は2008年から2018年の10年間で約4倍に増え、3,000万人を超えました。その内約98%は滞在期間90日以内の短期滞在(観光、保養、親族訪問、見学、講習会や会合への参加など)であり、日本中のあちこちで毎日のように外国人を見かけるようになりました。
一方、日本で90日を超える中長期間で、勉強し、働き、生活をする外国人も増加し、2008年~2013年間のの200~210万人レベルから2018年末には270万人となりました。これらの外国人は何らかの在留資格を有していますが、日本語の壁や日本の習慣に慣れること以外の問題が、在留許可取得・期間延長・資格変更、永住許可取得、または帰化許可取得でしょう。「出入国管理及び難民認定法」、いわゆる「入管法」は2、3年に一度のペースで改正され、外国人急増の状況に対応していますが、複雑・難解な法律である上に、各地出入国管理局の混雑状況はますますひどくなっています。
各種許可申請は日本語であり、ケースバイケースによる多岐にわたる書類と説明書の添付を求められます。行政書士の中でも、特別な研修を受けて出入国管理局に登録されたピンクカードを所持する「申請取次行政書士」が、入管関連の各種申請の取次ができます。私も2019年12月にやっと「申請取次行政書士」と名乗れるようになりましたので、日本に住み続けたい外国人の方々や、外国人を雇用する法人のサポートしていきたいと思っています。
外国人が日本に入国・在留するには、「本邦において行うことができる活動」25種類と、「本邦において有する身分又は地位」4種類の中、いずれかの在留資格が必要です。いわゆるビザ(査証)は海外にある日本の大使館・領事館が発行する、その人物の所持するパスポート(旅券)が有効で、本邦に入国しても差し支えないと示す証書でしかありません(2019年9月時点で68の国・地域に対してビザ免除措置を実施)ので、在留資格とは別物です。
在留資格の一つである永住とは、既に日本に生活基盤をおく外国人が生涯にわたって日本に住み続けるため、在留期間がなく、就労制限もない資格で、配偶者や子も永住許可を得やすくなります。なお、帰化と違って国籍は母国のままです。永住許可には厳格な要件が求められ、①素行が良好であること、②独立生計を営むに足りる資産または技能を有すること、③その者の永住が日本国の利益に合致すること。
帰化は入管法ではなく国籍法によって定められており法務局への申請となります。基本的な条件は、①引き続き5年以上日本に住所を有すること、②20歳以上で本国法によって能力を有すること、③素行が善良であること、④生計を営むことができること、⑤二重国籍防止条件、⑥不法団体条件。 国籍法第9条には、「大帰化」といわれる日本に特別の功労がある外国人で、国会の承認を得て許可するものがありますが、今までこの適用を受けた人はいません。
2017年11月に施行された技能実習法は、技能実習に関し技能実習計画の認定及び管理団体の許可制度を設け、これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設けること等により、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るものです。
中小企業をはじめとした深刻な人材不足の状況下、人材確保が困難な特定産業分野(14分野)において、一定の専門性・技能を有した即戦力の外国人を受け入れていく仕組みとして、特定技能の在留資格が新設された入管法の改正が2019年4月から施工されました。受入機関と登録支援機関の登録制、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の取り組みがあります。
関連ブログ:2019年12月11日 - 日本に永住、帰化、難民の考察
関連ブログ:2019年12月04日 - 申請取次行政書士