行政書士とは?

テレビドラマによく登場する弁護士は誰にでもイメージし易いと思いますが、司法書士、社会労務士、行政書士など「士」が付く他の法律系の職種は、その違いが分かりにくいと思います。 実は3年ほど前まで私もほとんど知りませんでした。 以下に簡単にご説明いたします。


行政書士は昔「代書屋」と呼ばれたそうです。代表的な業務として自動車登録、建設業許可、飲食店営業許可など、やろうと思えば自分で申請書を書き、必要書類を揃えることができるものです。 しかし、「平日に何度もお役所に行かねばならない」、「法律改正が多くて複雑」、「添付書類が多く煩雑」、「お役所の人は忙しくて教えてくれない」などの理由により行政書士がお手伝いするようになったようです。 詳しくはこちら


行政書士の業務

行政書士の業務は行政書士法という法律によって規定されています。いわゆる独占排他的業務です。

行政書士の業務

江戸時代や明治時代初期は、おカミに物申す事や、許認可をもらうことは一般庶民にとって壁が高かったのでしょう。当時の日本人は世界的にも異常に識字率が高かったそうですが、お役所に提出する書類を代筆し、場合によっては庶民と行政の間を仲立ちするような機能が自然に発生したらしいです。 その後、明治時代の中頃に憲法や民法が定まり、法律体系が徐々に整い、社会の変化・高度化に伴い法律が複雑化してきました。お役所にとっても円滑な行政活動を行う上で、関連法令を理解し、要件に沿った申請書類を作成する行政書士が便利な存在になった側面があるそうです。


法律芸士業の生い立ち

明治初期、肥前藩の江藤新平が法務卿だった頃、代弁人、証書人、代書人という制度を設けたそうです。 代弁人が後の弁護士、証書人が公証役場の公証人、そして代書人の位置づけがさまざまな士業へ分かれたのが歴史です。

現在の行政書士の人数は5万人弱。全国のコンビニの店舗数6万店弱に近い数字ですが、めったに出会うことがありません。ちなみに弁護士は約4万人、司法書士は2万人強で法律系の士業を全部足すとざっくり20万人くらいでしょう。これが多いのかどうかわかりませんが、他民族国家で訴訟が多いと言われる米国の法曹人口(裁判長や検察含む)はなんと130万人以上です。

 

法律と行政書士の業務

昔、「六法に入れてくれない行政法」という自虐的な行政法学者さんがおられたそうです。憲法、民法、刑法、商法・会社法などはそれぞれ独立した法律ですが、実は「行政法」という名称の法律はありません。しかし、国会で制定・改正される法律の数の90%以上は行政法に分類されます。 

都道府県、市町村役所、保健所、警察署、消防署などの行政機関の活動には必ず法令(行政法)の根拠が必要ですが、個々の法令に精通した一般市民は極めて少なく、その法令は難解です。また、行政機関側にある程度の「行政裁量」が認められている場合はローカルルールが多い、すなわち都道府県や市町村によって違いが出てきます。 高度に発達した日本社会では法令が複雑化、専門化しているので、行政書士がサポートしたり、アドバイスできるケースが多々あるのだと思います。 またお役所側にとってもスムーズな事務手続きのために行政書士が役に立つことが多いと考えられます。気安く相談できる便利屋さんですね。

行政書士を名乗るには日本行政書士会に登録するのですが、登録資格を取得するにはいくつかの方法があります。 

一つ目は、近年難化してきたと言われる年に一度(11月)の行政書士試験で合格(300点満点中180点以上)すること。 法学部の学生さんが、司法試験に臨む前に腕試しで行政書士試験を受けてみるという話を聞いたことがありますが、意外に30代、40代、そして私のように50代の受験者・合格者も多いです。合格率はおよそ10%。ちなみに私は一回目の受験は160点台で不合格、二回目に200点でぎりぎりで合格できました。

二つ目は行政書士試験よりめっちゃ難しい司法試験合格者や、頭の良さそうな税理士。 私の知る限り税理士さんの登録者が多い気がします。 許認可申請の中には、財務諸表や収支報告を添付するものがあるので、税理士さんにとっては業務の幅が広がるのでしょう。しかし、行政書士は税理士の資格なしに税務署への申告代行や税務相談を行ってはいけないことになっています。

三つ目は行政機関に20年以上勤務した経験豊富な元お役人です。 たった20年勤務したら何の試験も受けずに登録できるのはずるいなあと感じましたが、その行政機関で長年許認可のチェックしてきた方は、当たり前ですが、その専門的知識と経験は非常に高いです。後輩がお役所にいるのですからコミュニケーションが良く、豊富な情報を持っておられます。 行政書士会の研修会などでよく教えてくれる優しい印象の方が多いです。

他の士業のことはよく知りませんが、行政書士会というのは勉強、研修が大好きな集団です。それぞれの業務に専門家した先輩行政書士が、書物には書けないようなローカルな実態やノウハウを教えてくれます。 日程が合わず、なかなか研修会に参加できませんが、いつも感謝しております。


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