令和1年 中小企業診断士2次試験 事例Ⅱの考察

2019年度中小企業診断士2次試験(筆記)の事例Ⅱはネイルサロンと、僕にはまったく縁のないサービス業が題材でした。基本料金は指10本で7,000円、オプションで1本あたり数百円から最大6,000円(1本で?)。最大一回で7万円?そんなに高いのかと驚きました。

 

(1)事例Ⅱの概要:X市商店街の完全予約制ネイルサロン、美大出身で子育てを終えた40代女性2人が2017年創業、客単価・客数の向上を目指すマーケティング事例。大規模な商店街周辺は高級住宅街、地域イベントが盛んで商店街主催イベントも毎月行われている。大手チェーンのネイルサロンや個人事業の自宅サロンと競合多数。B社は2人の技術力、デザイン力、接客力、提案力などの強みを活かし、ある程度固定客を確保してきたが、近隣に小型ショッピングモールがオープンすることになり、大手チェーンによる低価格ネイルサロン出店が決定。客単価の低い顧客流出は必至であり、その対策のために中小企業診断士に相談してきたというストーリーとなっている。SWOTが明確に記述されているけど、デザイン力にそんなに違いがあるのかな?、相場感がわからないけど高過ぎるのでは?という無駄な考えが頭に残りました。

(2)第1問:「小型ショッピングモール開業を控えた2019年10月末時点のB社の状況について、SWOT分析をせよ。①~④の解答欄ににそれぞれ40字以内」
素直な問題だから、ここで点数の差はつかないと思いますが、何を書いたのかまったく忘れました。2019年10月末時点だから、脅威にまだ開店していない小型ショッピングモールの低価格ネイルサロンは書くべきではなく、書いてしまっていないだろうか不安。

(3)第2問:「B社社長は初回来店時に、予約受付けや確認のために、インスタント・メッセージのアカウントを顧客に尋ねている。インスタントメッセンジャーでは個別にメッセージを配信できる。このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか?100字以内」
LINEとかで顧客関係性を維持することを前提にした問いでしょうが、メールやLINEの宣伝メールって一般的に鬱陶しくほぼ読まれないと思います。その中で有益かつタイムリーな情報というと、前回施術から2週間後くらいのタイミングで、客単価をあげるためにオプションの新デザインやストーンの新材料を写真付きお知らせする、顧客情報より個別イベントに合わせた提案などでしょう。繁忙期以外は早期予約割引を入れれば有効だと考えました。このネイルサービスは顧客と2時間近く1対1で施術しながら、口は空いているのでさまざまなおしゃべりができると気づきました。家族構成、子育て、買い物、料理、生活スタイル、遊び方、趣味など、女性同士の特有の多元同時会話が果てしなく続くものと予想します。2人で一日8人程度の施術になりですが、その情報を記録に残すことが大変で、どうやっているのかなって要らない関心が湧きました。商店街の有名ブランド衣料店や宝石店などは欲しい情報でしょうが、顧客情報を安易に他社に提供することはできないし、情報漏洩に注意しないといけない業種だとも思いました。

(4)第3問設問1:「B社社長は2019年11月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。B社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか? 理由と併せて100字以内で助言せよ。」
この手の問題は以前もありました。いくつか候補があり何を選んでも、その理由に合理性、説得性があれば正解になるパターン。有名ブランド衣料店や宝飾店との協業をまず考えましたが、「新規顧客のトライアル」という言葉がひっかかり、人口構成比を見て、10台後半から20代前半をターゲット(将来の顧客層)にして、ファッション関連の路面店にしました。同世代の周辺住民はロイヤリティが低いので、遠方からX市商店街を訪れる来街者も付け加えたと覚えています。一般に有名ブランド衣料店や宝飾店って、セールをしているとき以外はほとんど客がいないイメージ、ちょっと入りにくいイメージがあります。そういう店と協業しても、B社にとってはあまりインパクトがないのではないかとも考えたのです。一方、路面店は気安く声を掛けやすいしメリットがあり、若い女性や他地域からの来街者は立ち寄りやすいでしょう。 

しかし、試験後、10台の若い女性が何千円もするネイルサロンに行くものなのか、もしかすると大外れをしてしまったのかと不安です。今考えれば、Yさんが勤めていた貸衣装店かもと思いますが、X市内2店舗という記述なので、同じ商店街に位置しているとは限らないなどと、非常に迷うところです。

(5)第3問設問2:「協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて100字以内で助言せよ。」
顧客要望を聞き、近々参加するイベントに着ていく服装に対し、協業する露店の商品とネイルデザインのトータルコーディネートを提案するというようなことを書いた筈ですが、やはり気になるのは二十歳前後の若い女性をターゲットにしたのは根拠が弱い気がしてなりません。

 

女性にとって、髪型、化粧、服装と同様に気に入ったネイルに仕上がったら、テンションが高くなるものでしょう。男性にはあまり理解できない感情です。僕なんか散髪さえも2000円以下でいいやと思い(結果に大差なし)、できるだけ待たされない店を選んでいます。