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産業廃棄物業について

行政書士に登録して約半年が経ちます。夏ごろから千葉県行政書士会や所属する印旛支部での研修会、日本行政書士会のVOD研修など、安価または無償の研修会にできるだけ参加しています。行政書士って、ほんとうに勉強が好きな人が多いと感心します。私はまだ専門業務を絞り切れていないので、各研修会などを通じて基本的な知識や実務を蓄えている状況です。

今日は産業廃棄物関連事業について纏めてみます。

 

(1)私がまだ小学生だった昭和40年台、高度成長期の日本は、公害、環境汚染、自然破壊などの社会問題化し、「公害対策基本法」や「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が施行されました。大量生産・大量消費は大量廃棄物を生んだわけですね。

昭和の終わりから平成になると、窒素酸化物、ダイオキシン、酸性雨、オゾン層破壊、温暖化、不法投棄など環境に関する社会問題が細分化、深刻化し、「環境基本法」、「循環型社会形成推進基本法」、「廃棄物処理法」、「資源有効利用促進法」や個別リサイクル法などが成立。法令や制度が整備され定着してきたということです。ということは昭和40年以前はどんなゴミでも海や山に捨て放題だったのですね。今でもゴミの不法投棄の問題がニュースになります。我が家の裏側は高速道路の側道に沿っているのですが、空き缶やお菓子の袋がよく溜まっており大問題です。

(2)産業廃棄物は排出する事業者が廃棄物処理の責任を負わされており、産業廃棄物の収集運搬または処分(中間処理または最終処分)の委託を受け、業として行う者が「産業廃棄物処理業者」として許可制になっています。 日本の年間の産業廃棄物排出量は約4億トンもあり、約半分の約2億トンは再生利用され、最終処分量(埋め立てたり海に流したり)はたったの1千万トン。 あれっ?差額の1億9千万トンはというと、中間処理で焼却、破砕・選別、溶解、圧縮、中和、脱水などで減量化されるわけです。 それでも1千万トンというと100億Kgです。国民一人当たり約80Kg、男性大人のちょい太り(私がちょうど80Kg)分の産業廃棄物を山や海に捨てていることになります。因みに、この産業廃棄物には家庭ごみ(一般廃棄物)は含まれていません。一般廃棄物の年間排出量は約4千万トン、そのほとんどの8割は焼却され、最終処分は1割の400万トン=40億Kgが埋め立てたり海に流したりされます。

(3)一般廃棄物は地方自治体(市町村)が収集運搬し最終処分を行いますが、事業者から排出された産業廃棄物はどうなるか? 排出事業者は自ら運搬し処分業者へ渡し処理を委任することもできますが、自ら運搬しない場合は必ず書面の委託契約(収集運搬業者、処分業者それぞれ)を結ばなければなりません。といっても、なかなか不法投棄は減らないので、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度が義務付けられ、罰則が強化されています。産業廃棄物に関する無許可営業・不正取得、事業範囲の無許可変更・不正取得などは5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金またはこの併科、不法投棄などは3年以下の懲役か300万円以下の罰金またはこの併科、帳簿備付け・記載・保存義務違反などの軽いものでも30万円以下の罰金となっています。

 

こんな大掛かりな制度や厳しい罰則があったとは知らなかったですね。