財産管理委任契約

「財産管理委任契約」は、判断能力には問題が無いが、主に体力の衰えや何らかの疾患により自力で重要な法律行為が困難になってきた時、第三者(親族でも他人でも)に主に財産管理の事務を委任する契約。

委任内容は、①一切の財産の管理、保存、②金融機関との取引、③年金、家賃、地代など収入の受領、④家賃、公共料金、地代などの支出の支払い、⑤行政機関への申請、請求、申告などの手続き、⑥保険契約の締結、変更、解除、支払など、⑦医療契約、介護契約、福祉サービス利用契約、施設入所契約などの締結、変更、解除、支払など、⑧要介護認定の申請、審査請求など、⑨生活に必要な物品の購入など...様々なことが考えられます。

成年後見制度としては、「任意後見契約」、「見守り契約」と合わせた3点セットとして「財産管理等委任契約」と「等」を入れて呼ばれることも多いようです。「任意後見契約」は法律上、公証役場による公正証書作成が必須なので、3点セットとして一本の公正証書にしておく方が良いでしょう。

「任意後見契約」は、将来、判断能力に問題が生じた際に、第三者に法律行為を代理で行わせるためのもので、家庭裁判所に任意後見監督人の請求を行い、その効力が発生するもの。要はボケる前が「財産管理委任契約」で、ボケてしまった後は「任意後見契約」に基づいて法律行為を代理するという形です。ボケる前か後かを判断することは非常に難しく、定期的に訪問し状況を確認することが「見守り契約」ということになります。

本人と代理人が契約当事者で、契約というとギスギスした印象がありますが、たとえ親族であっても何を行うのかを客観的に明確化しておくことがこれらの契約になります。また、本契約と共に、遺言や贈与を組み合わせて考えることで、相続争いの予防、自己の老後の安心に繋がればと思います。