離婚協議書のポイント② 親権と監護権・養育費

さくらい行政書士事務所 離婚協議書 親権 監護権 養育費

未成年のお子さんがいる場合の離婚協議で重要なポイントが「親権」「監護権」「面接交渉権」です。両親の事情によって離婚をするわけなので、お子さんの養育、成長を第一に考えて、冷静に慎重に話し合う必要があります。

「親権」は「身上監護権」と「財産管理権」に分かれます。「監護権」とも呼ぶ「身上監護権」は、子どもの身の回りの世話、しつけ、教育などをする親の権利で、居住指定権、懲戒権、身分行為の同意権(職業許可など)を意味し、要は子どもと暮らす権利です。 一方、「財産管理権」は包括的な子供の財産管理と法律行為の同意権(借金など)。 身分行為と法律行為の同意権・代理権というところの理解が難しいですね。

そして、両親が「親権」を持っている状態から離婚によってどちらかの親が「親権」を持つことを協議することになるのですが、「監護権」と「財産管理権」を分けてしまうケースが稀に発生してしまいます。 母親が「監護権」、父親が「財産管理権」というのが典型ケースです。

ここで、トラブルの種が残ります。未成年のお子さんがいる場合の離婚届には「親権者」を記載しなければ受理されません。その「親権者」はどっちかというと法定代理人となる「財産管理権」を持つ親と解釈され、上記典型ケースでは父親になります。すなわち戸籍上は父親の戸籍にお子さんが残り、母親と一緒に暮らすことになります。 どんなトラブルが考えられるかというと、お子さんと暮らす母親が離婚後、第三者と婚姻し、監護しているお子さんを養子にしようと考えた場合、まだお子さんが未成年の間は、「親権者」である父親の同意が必要になることです。 父親としては、お子さんとの絆を断ち切られると感じて同意しないというトラブルが発生します。他には、お子さん名義の賃貸借契約、携帯電話の契約、銀行口座開設などが考えられますが、あくまでもお子さんが成年に達するまでです。もし、「監護権」を分けざる得ない事情がある場合は離婚協議書に明確に記載し、公正証書にした方が良いでしょう。

もう一つ、公正証書にして記載すべき事項が、「面接交渉権」です。「面接交渉権」は親の権利ではなく、お子さんの権利であること、「子の福祉」であることを考慮する必要があります。 お子さんと別れて暮らす「親権者」にとって定期的にお子さんとの時間を持ちたいと考えるのは自然ですが、頻度(月に1回とか2回など)、時間(何時から何時まで)、宿泊が可能かどうか、メールの方法や制限などです。 片方が住所変更した際の連絡義務も付け加えておいた方が良いでしょう。

離婚協議書のポイント①
離婚協議書のポイント③