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古物商でお酒を扱うには

さくらい行政書士事務所 古物商でお酒を扱うには

何十年も前に海外旅行で買った高価な洋酒、少量生産の秘蔵・幻の焼酎、年代物の高級ワインなど、大事に飾って保管しているご家庭があります。 いつかは誰かにあげようと思っておられたのかも知れませんし、意外にお酒を嗜まない方が貴重なお酒を所有し、いざというときに遺産として残ってしまっていたりします。 そういう未開封のお酒を処分するとき、骨董品や宝石を扱う古物商事業者で買い取ってもらえるでしょうか?

お酒は古物商で扱う古物の対象外です。未開封のお酒を買い取ることはできても、他のお客さんに販売すると酒税法違反になってしまいます。(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金) お酒の販売もできるようにするには、警察署による古物商許可以外に、新たに税務署から「一般酒類小売販売業免許」を取得する必要があり、古物商許可以上に申請書類が多くなります。酒税法上の記帳義務・申告義務・届出義務もある上、酒類販売管理者の選任義務もあり、酒類販売管理者は3年ごとに数千円の研修を受けなければなりません。

また、インターネットで古物を扱っている古物商事業者(個人含め)が増えていますが、インターネットでお酒の販売をおこなう場合は、上記「一般酒類小売販売業免許」取得後、「酒類販売業免許の条件緩和申告書」を提出する手続きが必要になります。

酒類販売業免許申請の説明はこちら

 

酒税の確保、お酒の品質維持などの衛生面、未成年者への販売禁止などさまざまな理由・目的があり、税務署が特定事業の免許を交付する珍しい許認可です。

お酒の製造にも免許が必要で、勝手にお酒を作ってはいけません。じゃあ、梅酒もだめなのですか?と聞く方がきっとおられますが(私が思いました)、梅酒は焼酎に梅をつけるだけで、醸造も蒸留もしてませんので大丈夫です。

サウジアラビアなどイスラム教の国でお酒を作ったらめちゃくちゃ大罪になってしまいます。どうしてもお酒を飲みたい日本人駐在員がこっそり自宅で作り、使用人に密告された事件もあったそうです。 日本に住んでいて良かったと思います。