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相続税ってどれくらい?(2) 非課税額・控除額・特例

さくらい行政書士事務所 相続税(2) 非課税額 控除額 特例

相続って滅多に起きることがなく、初めて経験する方が大多数でしょう。被相続人の看病やお葬式の手配などにより慌ただしく時間が過ぎ、相続手続きは煩雑なので、後から「最初から知っておけば良かったのに」と後悔することもしばしばです。相続税については被相続人の死後10か月以内に申告が必要ですが、あっという間に期限がきてしまいます。

 

このブログでは、ファイナンシャルプランナーとして、一般的な相続税の知識を箇条書きしており、2回目は各種非課税限度額、控除額などです。*相続事例は配偶者と子供2人です。

 

 (1)非課税財産の計算

 ①生命保険金・死亡退職金の非課税金額:500万円x法定相続人数
 *事例では相続人3人なので、1,500万円が非課税になります。
 もし、相続放棄した人がいた場合、法定相続人数には含みますが、相続放棄した人が受け取り人となって受け取った分は非課税の適用はありません。

 ②弔慰金の非課税金額:死亡時の普通給与x36か月分(業務上の死亡)または6か月分(業務外の死亡)、弔慰金には花輪代、葬祭代金などさまざまな名目がありえますが、給与所得者だった場合に非課税金額を超える分は、退職金として扱われるという意味です。

(2)配偶者の税額軽減:配偶者のの相続額が、①1億6,000万円、または②法定相続分のどちらか多い金額まで配偶者は課税されません。 別の言い方をすると最低1億6,000万円まで非課税です。配偶者への相続を手厚く保護しているんですね。非課税だからと言っても、きちんと相続税の申告はしなければなりませんから要注意です。

(3)未成年者控除:(20歳ー相続開始時の年齢)x10万円

(4)障害者控除:(85歳ー相続開始時の年齢)x10万円

(5)相似相続控除:10年以内に2回以上の相続があった場合の一定額ですが、計算は面倒です。

(6)外国税額控除:被相続人が外国に持っていた財産を相続する場合、その国で相続税に相当する税金が課されていたならば、二重課税廃除によりその税額を控除されます。

(7)小規模宅地等の評価減の特例:被相続人、または被相続人と生計を一にする親族の、居住用または事業用の宅地が対象。 相続によって相続人が居住や事業継続ができなくなるケースを減らす目的です。 

 ①特定居住用宅地等は、330㎡(100坪)まで80%の減額(20%の評価額になる)
 ②特定事業用宅地等は、400㎡まで80%の減額(20%の評価額になる)
 ③貸付事業用宅地等は、200㎡まで50%の減額(50%の評価額になる)

 所有要件、居住要件、事業継続要件などが複雑な制度。

(8)相続税額の2割加算という税額が高くなるケースもあります。
被相続人の配偶者および1親等の血族(子や父母)以外の人(兄弟姉妹、孫、祖父母など)の相続税額は20%増しになります。

 

様々な事情や背景があって相続税の制度が決まられているのでしょうが、非常にややこしいです。上記(5)(7)(8)は国税庁のホームページにリンクを貼ってしまいました。

どこの税務署も相続税の相談を丁寧にしてくれますが非常に混雑しています。 1か月や2か月先の予約が必要な税務署もあります。相続財産を調査し、遺産分割協議や手続きを行いながら、税務署の予約は早めにしておいた方が良いと思います。または、最初から税理士に依頼した方が良いケースもあるでしょし、相続サポートセンターのサイトは詳しく分かりやすいのでご参考にしてみては如何でしょうか?

 

次の「相続税ってどれくらい?(3)」は、相続税の納税と相続時精算課税制度について説明します。