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エンディングノートとは

さくらい行政書士事務所 エンディングノート

最近、「終活」というタイトルの本や記事、セミナーを見かけます。一般的に「終活」には、自分が死んだあとのこと、自分が認知症や病気になったときのこと、不要なものの処分や整理、お墓の準備、住まいをどうするか/施設選びなど多岐にわたり、「終活ビジネス」も盛んになってきているようです。

「終活」活動の一部である「エンディングノート」は、家族のことを思い、家族のために残す手紙兼記録であり、最後の贈り物であり、ガイドブックです。 自分の人生を振り返り、思い出し、調べたりする時間を作り、最後は家族がスムーズの手続きができるよう「思いやり」を残すことになります。 ただし、「エンデイングノート」には遺言としての法的効力はありません。 家族への手紙の中に遺産分割の内容を書いたとしても、その通り遺産分割がされる保証はないという意味です。

また、「エンディングノート」のフォーマットがあるわけではありませんし、手書きでもパソコンで作っても構いません。 好きな順番で、好きなように書いて、ファイルにまとめておくことが「エンディングノートを残す」ことになります。 もし参考例をご覧になりたい方がおられましたら、メールを送っていただければ、某金融機関が作られたものですが、ファイルを送ることも可能です。

では、「エンディングノート」として、典型的な項目ごとにどんな内容を書くか箇条書きします。

 

(1)大切な人へのメッセージ:

・配偶者、家族、友人などへ一人一人への、感謝、思いやり、叱咤激励などを伝えるお手紙です。
・自分の歴史を記述し、エピソードや思い出などを家族に残すという方法もあるでしょう。

 

(2)医療や介護について:重度な認知症になってしまった後や、重篤な病気になってしまった時のことを想定して必要な情報を残しておきます。

・持病、アレルギー
・かかりつけ病院・連絡先・主治医
・服用している薬、病名、薬局名
・告知について(告知する/しない、病名だけ、余命は知らせないなど)
・延命治療について(最後まで、痛みの緩和だけ、胃ろうはしないなど)
・万が一脳死になった場合の臓器提供
・介護が必要になったときの介護者へのお願いやメッセージ(好き嫌い、趣味、好きなテレビ番組や映画など)

 

 (3)財産の記録について:相続手続きをスムーズにするための情報です。

・預貯金(銀行名、支店名、口座番号、X月X日の残高、届出印鑑、キャッシュカードやネット取引があればそのアクセス方法とパスワード)
・株式・投資信託・債券などの有価証券(金融機関名、支店名、口座番号、X月X日の残高や口数・株数、届出印鑑、カードやネット取引があればそのアクセス方法とパスワード)
・土地や建物の不動産(地番、登記番号、持分など)
・生命保険や損害保険(保険会社、契約者、被保険者、受取人、保険内容、保険証書の置き場所)
・年金(公的年金、企業年金、個人年金や確定拠出年金)
・クレジットカード(カード会社、カード番号、有効期限、決済銀行)
・債務(借金):借入先情報、借入額、残高、返済スケジュール、契約書の所在
・債券(貸金):相手先情報、貸付金額、残高、契約書の所在

 

(4)葬儀やお墓について:

・葬儀の場所、方法、形式、演出など具体的な希望
・遺影写真(これな重要ですね)
・訃報の連絡先リスト(亡くなったらすぐに連絡する人、お葬式などが済んでおちついてから連絡する人など)

 

(5)プライベートな遺品の処分について:データ消去を委任するのであれば、パスワードなども残さないといけません。

・携帯電話やスマホ
・パソコン
・SNS(Facebook、Twitter、LINEなど)
・写真
・日記
・その他

これだけの個人情報やパスワードを記載したファイルは紛失や盗難のおそれもあるし、自筆遺言書と同様にもし遺族が見つけられなかったら意味がなくなってしまうので、家族に隠し場所を知らせておいたり、または金融機関の貸金庫を利用することをお勧めします。

また、法的な効果がある遺言書財産管理委任契約死後事務委任契約と組み合わせてこの「エンディングノート」を活用してみては如何でしょうか? もし、わからないことがありましたら、遠慮なくお問い合わせください。