日本に永住するための条件

さくらい行政書士事務所 日本に永住するための条件

永住許可は外国人が外国人のまま、日本に無期限で滞在がすることができる在留許可です。永住許可申請件数は、年間約6万人で、その内許可が出るのは5割、約3万人というのが2018年度実績です。

許可が出るか出ないかの境目は、日本に永住するための条件に合っているかどうかを判断されます。

その法律的要件は私のホームページに記載した通り下記になります。

(1)素行が善良であること
(2)独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認めたとき

しかし、この三つだけでは分かりにくいですね。もう少し詳しく説明してみます。


(1)素行が良好であること

法律を遵守し日常生活において社会的に非難されることのない生活を営んでいることが法律上の要件です。 具体的には、退去強制事由に準じるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国管理上見過ごせないような行為などが素行が良好ではないと評価されます。入管法に定める届出等の義務の履行、資格外活動であるアルバイトのやり過ぎなども評価されるようです。

ただし、日本人の配偶者や子、または永住者の配偶者や子はこの要件は関係ありません。


(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

将来において日本で安定した生活が見込まれることが求められますが、家族がある場合は世帯単位で求められれば足ります。 

具体的には、
①金融機関発行の預金残高証明書、不動産の登記事項証明書などで資産を証明しますが、いくら以上あれば大丈夫かはグレーです。
②申請人または申請人を扶養する者の過去3か年間の職業を証明する資料➡企業勤務だと在職証明書、事業経営者だと法人の登記事項証明書と過去3か年間の損益計算書や事業報告書など、個人事業主だと法令上求められる許認可証明書の写しなど、

ただし、(1)の要件同様に、日本人の配偶者や子、または永住者の配偶者や子はこの(2)要件も関係ありません。


(3)その者の永住が日本の利益に合すると認めたとき

この要件は、法務大臣の裁量権が非常に広いところで、公表されている許可事例と不許可事例の中、同じような事例なのに許可と不許可に分かれているケースがあり、これが永住許可の難しさです。

日本の利益に合することを証明するには、理由書の役割は非常に大きいです。 日本に10年以上在留し、慣れたのでもっと長く住んでエンジョイしたいという想いの理由書、日本が好きで日本を褒め称えるだけの理由書は避けるべきです。 あくまでも申請人の能力や経験、過去の実績や功績、日本に永住してどんな貢献ができるかなどを、簡潔に合理的な文章を考なければなりません。 表彰状、感謝状、推薦状などがあれば写しを提出すべきです。 会社勤務の方なら、推薦状として勤務内容や日本で会社に貢献してもらう期待などを書いてもらうえたら良いでしょう。

 

かなり注意しなければならない評価ポイントは

①過去3年間の所得および納税状況の資料➡会社勤務であれば源泉徴収票が所得・所得税・住民税を証明できます。 個人事業の場合は税務署長が発行する納税証明書や市町村が発行する住民税と県民税の納税証明書。 不動産を所有している場合は固定資産税の納税証明書。

②公的義務を履行していること
社会保険料(国民健康保険、国民年金・厚生年金)などの納付状況➡もし滞納があれば納付してから永住許可申請した方が良いです。

③道路交通法違反(駐車違反)などの罰金刑や懲役刑を受けていないこと

④現に有している在留資格について、その在留資格の最長期間をもって在留していること。

 

もし、申請し不許可になった場合、その不許可理由をよく聞いて、修正できるのであれば、次回は許可になる可能性が高くなると言えます。


(4)その他

法律的要件ではありませんが、実際上提出を求められるもの

①健康診断書:どこの病院でもよいというわけではなく、入国管理局の指定する病院です。

身元保証人:これは別のブログで説明しています。

③婚姻関係や親子関係を証する書類、資料:婚姻、出生、認知、養子縁組等の事実を証する公的資料が求められ、関係者の証明書や資料も提出する場合があります。

④履歴書:入国管理局に用紙あり

⑤在日在外親族の概要書:入国管理局に用紙あり