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新たな補助金制度! 中小企業等事業再構築促進事業(令和3年2月4日時点)

新たな補助金制度! 中小企業等事業再構築促進事業

コロナ禍の中、緊急事態宣言が3月まで延長が決まり、飲食業、旅行業、各種サービス業等、売上が落ち込み、今後どうなるのか不安な状況の事業者さんが日本全国で何百万者もおられるでしょう。

令和2年度は、国の持続化給付金・家賃支援給付金で給付遅れが多発、厚生労働省の雇用調整助成金等の雇用に関する助成金によって失業率は何とか急落せず、経済産業省の経済施策としての各種補助金申請や報告は煩雑過ぎ、それぞれの事務局や各地支援機関では事務作業が追い付かない異常事態が現在も続いているようです。 個々に申請をしてみると書類不備や煩雑な管理が露出し、日本社会全体に諦めムードや行政機関への不満が充満していると感じます。 アクセルを吹かせながらブレーキを踏み続けているような事象があちこちで発生しているからです。

さて、新しい「中小企業等事業再構築促進事業」という経済施策が経済産業省 中小企業庁から発表されました。具体的な公募要領は3月に発表ということですが、期待したいと思います。

 

対象となるのは

事業の再構築に挑戦する中小企業等の皆さんが対象で、ポストコロナ・ウイズコロナ時代の経済社会に対応するために、「思い切った事業再構築」を支援することが目的です。

「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取り組み、事業再編、又はこれらの取り組みを通じた規模の拡大など」と難しい表現を使っています。

(1)現在分かっている対象要件は、

①申請前の6か月間で、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少。令和2年度開業者など比較対象売上がない事業者がどうなるのか不明です。(給付金でも同じ問題が発生し、後から要件追加されました)

②認定経営革新等支援機関(商工会などか?)や金融機関の支援により事業計画を策定し、一体となって取り組んでいる。(誰が支援機関なのか曖昧な要件ですね)

③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3%(一部5%)以上の増加、又は従業員一人当たりの付加価値額の年率平均3%(一部5%)以上の増加を達成すること。(付加価値額は簡単に言うと営業利益+給与等+減価償却費です。 数年後、目標を達成していないと返金する意味なのかな?)

従来のコロナ型補助金の三要件が入るのか、実際は使いにくいオマケの「事業再開枠」があるのかなど、3月の公募要領を見てみないとわからないことだらけです。

(2)補助対象経費の例

設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費、技術導入費、広告宣伝費、販売促進費、建物費や建物改修費など (人件費や旅費は対象外)

 

補助額・補助率

中小企業と中堅企業に分けるようです。

(1)中小企業の通常枠補助額は100万円~6,000万円、補助率2/3。(例えば300万円の補助事業契約であれば200万円まで補助するということ)

通常枠とは別に、卒業枠というのが400社限定で補助額6,000万円超~1億円、補助率2/3(中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けということらしいけど、卒業という単語を使うセンスに違和感を感じる。)

(2)中堅企業向けは、補助額100万円~8,000万円、補助率1/2、正し4,000万円超分は1/2

100社限定でグローバルV字回復枠というのが、補助額8,000万円超~1億円、補助率1/2

 (そもそも中小企業基本法他で中小企業や小規模企業の定義、民法に大企業の定義はあるけど、中堅企業って造語ですね。 コロナ禍のどさくさに紛れて、6,000万円以上の破格の補助を500社に集中させる出来レースのような印象を持ってしまいます。 中小企業規模の範囲で500社にだけ6,000万円以上も補助するのは公平性に欠けるのではないか?やるのならば資本金にして短期間の国営にすべきだと思う)

備考

広告宣伝費や販売促進費にも使えるので、小規模事業者持続化補助金と対象経費は似ており、補助額が大幅に拡張されるようです。設備投資が前提のものづくり補助金よりも使い勝手は良さそうです。付加価値額の要件は、経営革新計画に似ており、経産省のお役人が考えた制度だと感じます。

令和2年小規模事業者持続化補助金の一般型(50万円まで)の最終公募日が明日なのですが、その格差が大き過ぎる気がします。 補正予算なのですから、新たな補助金制度を設計するより、既存補助金の上限額引き上げ、期限延長、または不採択者に対する指導・支援の方が助かる事業者が多いし、事務作業も軽減できるのではないのかと考えてしまいます。

また、3月に公募要領発表ならば、4月以降の申請→2か月後の採択→いつかわからない給付額決定となり、実際に給付されるのは令和4年になるのではと危惧します。

Jグランツの電子申請が前提なので、GビズIDを取得しなければならず、ここでも敷居が高くなりそうです。