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新たな補助金制度: 中小企業等事業再構築促進事業(令和3年2月12日時点)

2月4日のブログ、「新たな補助金!中小企業等事業再構築促進事業」の記事を書きましたが、昨日2月12日、経済産業省中小企業庁からもう少し詳しい情報が出ましたので、所見を入れてご紹介します。 コロナ禍が長引き、先行きが不安な中小企業・個人事業主は日本全国で何百万者もいるでしょう。昨年は小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金という規定の補助金制度の中で、コロナ対応型や、コロナ影響下での事業再開枠の設定(マスクや消毒液などの費用の補助)などが行われましたが、申請件数の増大による事務局運営の問題が表出し、現時点でも様々な問題が尾を引いているようです。

「補助金」は経済産業省による経済施策として、公募要件に合った事業者が計画する事業内容に対して審査し採択(採択率は100%ではありません)されるのが入り口で、ルール通りにここまでやらないとだめなのかと心が折れそうになるくらいの煩雑な報告が求められ、出口が見えなくなります。補助金と比べると、昨年の持続化給付金や家賃支援給付金という「給付金」は要件に合って、ルール通りの書類を添付して申請すれば100%給付されます。また従業員を雇用している事業者にとっての雇用調整助成金などの厚生労働省による雇用に関する施策も、要件に合って、ルール通りの書類で申請できれば100%給付されます。「補助金」獲得の難しさは、主観的に立派な事業計画を立てることができても、相対的評価で採択できないこともあり得るということです。地域性や業種のバランスも審査に影響があるでしょうが、不採択になった場合の理由は教えてもらえません。 

 

令和3年2月12日発表資料

前回ブログと比べて新しい情報はほとんどなさそうです。詳しい公募要領や公募日程は3月上旬まで待つしかなさそうです。

新規事業展開、事業転換、事業再編などによる「思い切った事業再構築」ということがキーワードになりますので、「思い切った」というニュアンスの判断、審査の尺度が難しいところだろうと感じます。

 また、成果目標の内容が「経営革新計画」と同じで、最低3年間の損益計算書(売上高、仕入高、経費、営業利益)が必要で、経費には人件費と減価償却費を分解してシミュレーションしておく必要が出てきます。

 

三大要件

まず中小企業の定義に入っているかですが、それ以外の三大要件は

(1) 申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計類上げ高が、コロナ以前より10%以上減少(3月申請の場合は、令和2年9月から令和3年2月の売上月から、任意のたとえば、11月、1月、2月の売上合計が、令和1年から2年の同月売上合計の90%以下であれば要件に合うのでしょう)

(2)事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって取り組む(この要件は、不正申請を排除しようとする意図だと思います。私の場合は近くの商工会議所の知っている人からアドバイスをもらいながらクライアントのための事業計画を作成するつもりです。 商工会・商工会議所は忙しい人が多いですが相談無料の筈です。こうやって口達者で胡散臭そうなビジネスコンサルタントを排除するのでしょう。)

(3)成果目標は「経営革新計画」と同じ付加価値額の増加率となっています。(3年以上の事業計画の簡易的な損益計算見込を作成することを意味するのでしょう。 見込の数字はなんとでも作れるますが、「経営革新計画」の審査ではその根拠(市場、競合、売上単価、売上数量、経費見込等)をよく検討し合理性、納得性が肝になっています。) 

 

緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や、不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受け、令和3年1月から3月のどれかの月売上が30%以上減少していれば、補助率が、中小企業で2/3が3/4へ、中堅企業は1/2が2/3へ引き上げるようです。 ただし、補助額上限も従業員数によって下がります。

 

どんな事業が対象なのか?どんな経費が対象か?

非対面化、オンライン化はイメージしやすく事業計画自体はできそうですが、事業が成功するかどうかは難しいケースがほとんどでしょう。 製造業の製品転換は、技術や設備などの何かシナジーがないとうまくいかないケースを思い浮かびます。 また、まったく畑違いの他業種への転換は非常にリスクが高くなることが常識です。 ネガティブな考え方をすると、この補助金申請の審査は非常に厳しくになると予測します。

 

考察

グローバル化に取り組むことを重要視しているようで、中小企業庁関連の情報にグローバル化の成功事例をよく見かけます。 しかし、実際に投資回収ができているのか、法律・労務・税金・商習慣・品質などでどんなトラブルに巻き込まれているのか、そもそもグローバル化に取り組む・取り組める中小企業はほんの僅かです。私自身大企業で海外事業を長年従事したたので、安易に手出しをしない方が良いと考えています。

また、同じ第3次補正予算の一時支援金と同じ趣旨の緊急事態宣言枠を設けられることは素晴らしいことですが、必要なおカネは今でしょう。 補助金は一般的に、補助事業報告後の給付なので、今から約1年後のおカネになってしまいます。また、使える費用は、採択され給付額決定後に見積入手・発注・納品・請求の補助事業期間内の支払完了分に限定される、即ち今の支出には使えません。 この時間差を何とかしてもらいたいですね。

尚、この事業再構築事業の外注先は、過去の経験・実績などを審査し(株)パソナに決定したそうです。今までの補助金や給付金の事務局運営をよく調査し改善していただきたいと思います。

 

4月2日 事業再構築補助金の事業計画づくりのブログを書きました。